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当院で診る心療内科・精神科の主な疾患の説明

気分障害

気分に変動が現れる病気です。きっかけはあることもあればないこともあります。うつ状態がずっと続くこともあれば、気分が変わり易いためさっきまで楽しく笑っていたのに急に激しい気分の落ち込みに襲われることもあります。意欲もなくなります。いらいらが激しくなることもあります。このように良いときと悪いときがあると、本当はできるのに怠けているだけではないかと自分でも疑心暗鬼になってしまうことがあります。周りの人からも自分の気の持ちようだと責められることもあります。しかしこの病気は病気になった本人にしか分かりませんが、気分の変動を調節できず、気分の変動そのものが想像を絶するほどに苦しい病気です。あわせて誰にも分かってもらえないと苦しんでいる患者さんもおられます。

この病気は現在ではまず薬物療法で治療することが勧められます。薬物療法を開始してはじめは薬物の調整が必要なことが多いですが、薬が合えば徐々に効果が出てきます。あまり早く治療をやめると再発の危険性がありますので、まずは3~6か月は経過をみるようにしています。

パニック障害および不安障害

パニック障害はパニック発作という動悸や呼吸困難感を伴い、死んでしまうのではないか、発狂するのではないかといった恐怖が突然襲ってくる病気です。その他、またいつ発作が起こるだろうかと不安になる予期不安、発作が起きたらどうしようと乗り物に乗れなくなったりする空間恐怖と呼ばれる症状がみられます。

その他の不安障害では、たとえば将来のことや日常の様々なことが不安で仕方なくなったり、何か悪いことが起きるのではないかと心配になるといった症状がみられることがあります。

このようなパニック発作や不安症状は患者さん本人にとっては大変恐ろしいもので、薬物療法を行い症状の軽減に努めます。その上で、症状のために怖くて行けなくなっていたところへ行く練習などを行い、行動範囲を広げ病気になる前の状態を目指します。

治療は一歩一歩進めていく形となりますので、根気強く治療を行っていく必要があります。

摂食障害

摂食障害は大きく拒食症と過食症に分けられますが、これらは移行することもあり、混ざり合うこともあります。どちらも根本にあるのは太ることへの恐怖あるいはもっと痩せたいという痩せ願望です。痩せることだけが自分を認めるあるいは認められるための唯一の手段と考えていることが多くみられます。その目的を達成させるために、一日中頭の中は食べることと体重のことでいっぱいになり、そのほかのことが手につかなくなります。そして実際に食事を摂るととめどなく太っていきそうで、わずかな量しか食事が摂れなかったり、いっそのこと吐いてしまおうと過食・嘔吐を行ったりすることとなります。

患者さん本人は実はこのようなことをやめたいと思っているのですが、やめると太るのではないかという恐怖のためやめられなかったり、やめようとしてもすでに制御が利かなくなっている場合もあります。

患者さんも気づいていることが多いのですが、この病気は大変難しい病気で治療も難しい病気です。しかし専門的知識のもときちんと治療すれば治っていく病気なので、是非一度専門家のもとを訪れてもらいたいと思います。

治療は薬物療法と治療的な食事の摂り方の指導です。この2つをきちんと行うことが必要です。摂食障害という病気は食事が安心して摂れなくなっている状態なので、通常体重が増えない量の食事から始め、安心して食事が摂れるようになることを目指します。

摂食障害の治療では、通院を途中でやめてしまうことが多いのが特徴です。実際に治るまでに数年を要することも多いのですが、きちんと治療を続ければ治る病気だというのが私の経験からの印象です。

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